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発想力から表現力まで、総合力が試される国語
中学入試 過去問分析の意義とは?


◆今日のコラム◆


2008/12/18

<自分で考え、自分で選び、行動できる子供に育てる!(その3)>

国際教育到達度評価学会(IEA)が公表した、2007年国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果が発表されました。

この調査は、各国の小学4年生と中学2年生を対象に実施され、日本の順位は小学4年生が算数・理科とも4位、中学2年生が数学5位、理科3位で、ほぼ前回(2003年調査)と同じレベルでした。

平均得点は中2の数学以外、わずかながら前回を上回ったことで、文部科学省は「学力低下傾向に歯止めがかかった」と分析しています。

しかし、ここで詳しくみてみると、IEAが調査している学力とは、「知っていれば解ける」いわゆる従来型・情報処理型の学力のことなのです。

それに対し、今教育関係者の関心を集めている、経済協力開発機構(OECD)のPISAが調査している学力とは、個々の知識や処理スピードではなく、「学んだことで何ができるか」という、知識の活用力、応用力、思考力、論理力、表現力などに焦点があてられています。

ですから、この二つの調査ではかっている力とは、全く別のものであることを、認識することが重要です。

マスコミの報道などをみていると、「フィンランドは学力世界一」、「学力世界一のフィンランドに学ぼう」という表現をよく目にします。

しかし、これまで一般的に「学力」ととらえられてきたのは、「情報処理型」の学力のことなのですから、「フィンランドは学力世界一」と評価するのは、大いに矛盾があるような気がします。

実際、「学力とは何か」、「これからの子供たちに、本当に必要な力とは何か」と言う言葉の定義があいまいにされたまま、「PISAの順位が下がった」ことだけを問題にしていても、あまり意味はないと私(カニ先生)は考えます。

実は、フィンランドという国は、1992年からの教育改革で「ゆとり」を重要視し、従来型の学力よりも、PISA型の学力を選んだ国なのです。ですから、TIMSSの調査には、1999年からは参加すらしていない、と知り、私(カニ先生)は、「そこまで信念をもって教育改革を行ったのか」と、驚いてしまいました。

今回、私が親御さんたちに言いたいことは、これから新学習指導要領への移行がはじまり、学校の授業が詰め込みぎみになることが予想される中で、「学校での評価やテストの成績、ましてや塾での偏差値などに一喜一憂しないほうがいい」ということです。

今の学校や塾の現場では、「できないよりは、できたほうがいい」として「まずは、できるようにしてしまおう」という発想が、多かれ少なかれ見受けられるような気がします。

これは子供だけでなく大人もそうなのですが、「勉強とは覚えるもの」、「正解をすばやく出せるよう、繰り返し練習をするもの」という考え方が、これまで通用してきたこともあります。

日本では、テストや入試が終わると、勉強したことを忘れてしまう、とよく言われます。なぜかといえば、それは「テストのための勉強」だからです。

しかし、教科に限らず、たくさんの問題を練習して、「このパターンのときは、こういう答えを出す」という勉強の仕方を身につけてしまった多くの子供は、「勉強って苦しい」、「面倒くさくて、大変」、「いやなもの」という感覚に陥ってしまうのが現実です。

実は、学力低下論争と同時に、日本の子供たちの学習意欲の低さは、過去の様々な調査で毎回指摘されてきました。

2006年のPISAでも、テスト問題にどれだけ真剣に回答したかを聞く「意欲」の項目では、日本の平均値は参加国中最低であり、記述問題での無回答率の高さも目立ちました。

今回のTIMSSの調査では、「勉強が楽しい」と答えた子供の割合が、小学校4年生の理科を除いていずれの科目も国際平均を下回っており、中学2年生にもなると、「何のために学ぶのか」という意識は、驚くほど極端に低下してしまうのです。

(次回に続く)



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